サンタはマリアーヌに

◆前回のお話 http://epep.furael.org/archives/2005/1220_1254.html
遠くに見えているツリーを目指して マリアーヌはたくさんたくさん 歩きました。
始めはひんやりサクサク、ふわふわ楽しかった雪の感触も、今では身体を冷やすだけ。
元々、寒いのが苦手なマリア−ヌ。こんな遠出になるなんて知っていたら前に進んでいなかったかもしれません。
でも・・大好きな御主人様にプレゼントをあげて、喜んでもらう姿を思い浮かべると、どんどん前に進んでしまうのでした。
あと少し。
あと少し・・・ 大分ツリーに近付いてきました。
「じゅる・・・」
マリア−ヌは鼻炎持ち。ほとんどずっと鼻水は出ているからなれっこなのですが、この寒空の中、鼻をすするとツーンと頭も冷えちゃうので 頭がクラクラしてきました。
あと少し。
あと少し・・・
クラクラ・・・
あと少し。
あと少し・・・
クラクラ・・・
近くに見えて来たツリーが眩しすぎて 今度は目がチカチカしてきました。
「ぶにゃぁ・・・」
「大丈夫かい?猫の君」
すると、ツリーの上の方から声が聴こえてきました。
見上げると、赤い服を来た白ヒゲのおじいさんがツリーに腰かけていました。
「こんな所まで1人で来て・・今すぐお家へ帰りなさい」
えっどうして!? せっかくここまで頑張ってきたのに!
サンタさんはどこ!? おーい!御主人様にあげるプレゼントくださーい!!
「わしがそのサンタ。いいから帰りなさい。ほらほら鼻水鼻水。出てる出てる」
えぇーー! お願いです・・プレゼント下さい!
「だーめ。猫の君。何が一番大切かよく考えてごらんなさい。 君が御主人様の喜ぶ姿を思い浮かべる、その為にここまでやってきた。もうそれだけで充分なんだよ。ほらほら鼻水鼻水。出てる出てる」
だって・・でも・・手ぶらで帰りたくないです・・・
「今は雪も静かだけど、これ以上ここにいると吹雪に合ってしまうよ。猫の君は もう主人殿の所に帰れなくなる程遠く遠くへ飛ばされるかもしれない。それでもいいのかい?」
ご主人様に逢えなくなる・・??
「君は主人殿だけの猫だ。主人殿にとっても同じ。ただ傍にいてあげなさい。この雪空を悲しい想い出にしちゃいけない。早く帰りなさい。彼は心配しているよ」
もう最後の言葉を聞く前にマリア−ヌは駆け出していました。御主人様の優しい声、暖かい手、目が覚めると笑顔で挨拶してくれる姿・・ その毎日の挨拶が僕がいなくなる事で笑顔が消えちゃうかもしれない。誰にも言えない事をこっそり僕に話してくれていたことも、僕がいなくなる事で本当に誰にも言えなくなってしまうかもしれない。
その誰にも言えない言葉は、とても綺麗な言葉で 僕は 僕はいつも心が満たされるのに・・・
そんな事を考えながら、鼻水も涙も足跡に残しながら、マリア−ヌはツリーに向かっていた時よりも早いスピードで走り続けました。
end
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■ゆきだるま ヘブロク 2007年01月05日 12:15 |
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いいね、このstory。
絵の中のネコがマヌケな感じで、また面白い。
なりふりかまわずな感じが出てて気に入りました♪